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RD16HHF1,RD15HVF1 [リニアアンプ]

RD15回路.jpg一気にRD16HHF1及びRD15HVF1の実験をやってみた。

回路は前回のRD06タイプのものをそのまま使用。ちょっと横着かもしれない。然しながら、傾向くらいはつかめると思ったからだ。

 その結果が左のグラフである。これを見ると

    06シリーズより1516タイプの方が利得が高い。

    RD15HVS1が最も高い。リニアリティーはどれも同じような感じである。

    どれも入力10dBm弱でリニアリティーが崩れてきている。

となった。

 周波数特性は、INPUT +10dBm で以下のポイントでOUTPUT(dBm)を見てみた。

IN=10dBmRD16HHF1RD15HVF1
1.9MHz37.15 37.62
3.5MHz37.42 37.88
7MHz37.51 37.88
10MHz37.51 37.79
20MHz36.36 36.76
30MHz36.5136.69
50MHz34.35 35.05
145MHz28.90 28.65
 

これを見てもRD16HHF1RD15HVF1の差はごく小さい。145MHzにおいて逆転しているのは、回路及び部品の特質及び測定誤差と考えられる。

 

 ここまでの三菱のRFFETの実験を総括してみると

    20dBm以上簡単に増幅できる

    寄生発振などもあまり起こさない

    破壊体力もある(実験中1個も破壊しなかった)

    HHタイプよりHVタイプの方が利得がある。(HF帯域について)

    アイドリング電流が大きい。従って電力効率が悪い

    HHタイプでも十分50MHzで使用できる。

 

 私としてはRF電力増幅用としては、使いやすいと思う。これにコスト条件を考えると

06タイプと15,16タイプが殆ど変わらない(350円程度)ことから06より15,16タイプを用意しておけば色々活用が出来ると思う。

 100mW300mWクラスのRF用トランジスタも限られてくるから、00タイプも活用していきたい。お勧めとしては、RD00HVS1RD16HHF162種類くらいでもいいと思う。145MHz帯をもターゲットに見るならRD16HHF1ではなくRD16HVF1がいいだろう。両方ストックする必要はあまり無い。

 

 今後は、今製作している28-50MHzトランシーバーのRF電力増幅用としてRD00HVS1-RD16HVF1のコンビで使ってみる予定。その中で最適化を図っていくこととする。

検討課題としては、入力回路の整合と出力回路のコア選択、巻き数などを実験してみる予定。

訂正:回路図において可変抵抗の向きが間違っていたので修正しました。(2012.11.9)


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コメント 4

JH8SST/7

初めまして。JH8SST/7です。一連の実験、大変興味深く拝見いたしまして、自分でもOMの回路によりRD15HVF1シングルアンプを組み立てて21メガで動作させてみました。
入力回路のマッチングにつきましては、自分で試してみた限り、直列にLを挿入するのがFBでした。

http://fujichrome.exblog.jp/18197879/

このデバイス、前から興味を持って使いたいと思っていたのですが良い作例があまり無く、躊躇していたところでした。この記事の後、実験された情報があれば、ご教示して頂ければ有難いです。
by JH8SST/7 (2012-11-25 09:32) 

JA2NKD

JH8SST/7様
コメント有難うございます。
あまりコメントが無いのでうれしく思います。

私も色々探っているのですが、使用例が少なく手探り状態です。
バイポラートランジスタと違って、FETは挙動がよくわかりません。
この後の実験ですが、FETをいくつか飛ばしました。
100mWまでの入力がいいようです。
OUTPUTは、1:9の準伝送路トランスがいい感じでした。コア1個(FT50)では、熱くなりすぎるようでした。また、調整コンデンサーを取り付けたところ、概ね40dbm近くまで伸びてきました。
入力側は、Lを入れたり、トランスを入れたりですが、直結が今のところ一番です。
入力にLを入れるアイデアは、FETの入力容量とでLPFにするという考え方だと思います。フィリップスのFETアプリケーションノートに記述があります。
英語が苦手なので、じっくり読んでいませんが。
現状でMAX10Wで、直線性等を考慮して5W位の使用が無難なようです。
近々結果を載せたいと思います。
有難うございます。

by JA2NKD (2012-11-27 00:35) 

JH8SST/7

ご返事頂きまして大変ありがとうございます。1:9の伝送線路的トランスは、コアを2個使うタイプでトロ活に記載されているものでしょうか。MAX10Wで、リニアな範囲が5W確保できれば、実際の送信機での使用に十分かと思います。

調整コンデンサーはドレイン・アース間に接続されているのでしょうか。

このFET、間違い無く多くの方が興味を持っていると思うのですが、思ったほど普及していないように感じるのは、判りやすい使用例がナカナカ無いことが原因ではないかと思っています。OMのご報告は、その意味で非常に有り難い、貴重なご報告と思っております。

入力回路、直結が一番ですか。出力回路とも関連するのでしょうし、私も手探りしながらもう少し検討してみます。

自作の対象となる7メガ、14メガ、21メガ、50メガで使用する回路が確立して、多くの人が再現性高く製作できることがわかれば、自作リグのファイナルの定番になることは間違い無いと思います。2SC1971が無くなってしまったので、このFETには大いに期待しているところです。

最新の情報楽しみにしておりますので、よろしくお願い致します。
by JH8SST/7 (2012-11-28 16:33) 

JA2NKD

JH8SST/7さん

コメントありがとうございます。

回路図でのVRの接続は間違えています。ごめんなさい。
インダクタを入れるとある値で若干出力が増加しますね。
もう少しこの辺りを探ってみます。
出来ればトロイダルで標準化したいと思います。

Idcは、500mA以上の方が高出力の伸びが良くなります。
700mA前後がいいようでした。ただ効率からいくと悪くなりますが。
どのくらいにするかは、歪との兼ね合いでしょうね。

by JA2NKD (2012-11-29 14:14) 

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