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7MHz receiver adopted color LCD & Si5351PLL [受信機]

 いつもお世話になっているKさんからcolor LCD&Si5351PLL-VFOを提供していただいた。またJH8SSTさんからもいろいろな情報を頂いたので、これを使って早々7MhzSSB受信機を製作した。

7MHzRCV-1.JPG

7MHzRCV-2.JPG

 特徴として
1) カラーLCDの採用
2) Si5351PLLの採用
3) J-FETカスコードアンプの採用
である。
 基本的な回路部分は、TEST受信機でTESTした基板がいくつか合ったのでこれらの中からRF-MiX基板と2SC2348フォワードAGCIF基板を流用することとした。

7MHzcolorLCDSchematics.jpg

【回路構成】 (左図クリックで拡大)
1.RF&MIX
 RFは定番の2SK125x2GGアンプ(トロ活)で10dBくらい稼いでいる。MIXはR&KのM54というダイオードDBMを使用している。
2.フィルタ&IFアンプ
 フィルタはジャンク基板(福山multi750)をジャンク箱よりサルベージした10.7MHzのTOYOKOMのX'talフィルタを再利用した。IFはTEST受信機で実験した8MHz用で2SC2348フォワードAGCトランジスタ3段である。これを今回のフィルタ周波数10.7Mhzに修正し再利用している。増幅度は85dB程度となった。AGCもそのとき使用したFET-OPAMPによるものである。
3.プロダクト検波
 これはJH8SSTさんから頂いた情報でN6QWが製作したSimple-ceiverという受信機に採用されているもので、J-FET(J310)カスコード接続しデュアルゲート化したもので、非常にシンプルな回路となっている。
4.AF
 AFは定番回路でLM741-LM386である。
5.VFO&キャリアOSC
 VFO&キャリアOSCは、今回はじめての採用であるが、1チップで3つの周波数が出せる優れもので、クロック発生器の用途に採用されているようである。今回N6QW-OMが開発したものをKさんがアレンジしてくれ、VFO用とキャリア用に周波数をSETしてくれた。このICは秋月で150円で販売されるようになった。DDSに比べてコスパは凄い。但しAD9850などと比べるとプログラミングが複雑であることと、出力が方形波であることが懸念材料である。プログラミングは私には手が出ないので、N6QW-OM開発のものをお世話になっているKさんに対応して頂いた。深謝
その出力であるがやはりかなり強烈な高調波が出ている。そこでFCZコイルを使ったBPFと出力レベル補正にJ-FETカスコードアンプを追加しMIX及び検波回路に入れている。
 このJ-FETカスコードアンプは、JH8SSTさんより頂いた情報でExperimental methods in RF-Design(W7ZOI著)に掲載されているものをアレンジしている。原回路ではソースにダイオード4個使っているところをLEDとしている。またFETは2SK125である。負荷回路もFCZコイルに変更している(回路図参照)。増幅度25dBくらいで上段FETのゲート電圧を変化させることにより30db以上のゲインコントロールが出来る優れものである。デュアルゲートFETが入手なんであることからこの回路は色々活用できる。
6.LCD
 表示にはカラーLCDである。携帯電話等に使われていたものだと思われるもので中華製である。このLCDとSi5351のコントロールにはaruduinoが使われておりスケッチ(プログラム)は基本をN6QWが開発したものだ。 

7MHzRCV-3.JPG

【動作】
 今回の受信機にはパッシブDMBを採用したため少し増幅度が少ない感じである。その為AGCのスタートレベルが-80dBmくらいとなっている。AGCのためにはDBMの後にポストアンプを入れたいところである。但し7MHzなので実用上は十分である。先日W(西海岸)の信号が聞こえていた。
 Si5351であるが、当初フィルタ無しで使用してみたらやはり混変調の嵐であった。フィルタを入れてからはまったく問題が無い。信号のスプリアスも見てみたが近接も非常に綺麗である。これには少し驚いた。
 今回VFO用に使っているロータリーエンコーダーは、サトー電気の特価品で100psのものであるが、少し早く回すと周波数表示はついづいしているが、Si5351は追髄出来ないことがあるようだ。開発者であるN6QWも25-50ps程度を推奨しているようである。
 プロダクト検波にJ-FETカスコードによる回路を使用しているが、これはかなりゲインがある。但しuPC1037Hなどと比べると歪が大きいように感じる。実用的には問題ないレベルであるが。
 かなりゲインがあるのでAF段のOPアンプは不要のようである。現状10K:10Kと増幅度1にしてある。
 以上であるが、これにあわせた送信部を計画中である。そのため受信機よりVFOとキャリア信号を分岐して外部に取り出せるようにした。送信機が完成したら改めて情報を整理してUPしたいと思っている。
 
2016.05.25 回路図修正 


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DSP [受信機]

SDRがブームになってきているが、まだまだアナログ派。
とは言え自作受信機で聞いていると、ノイズや音質などが気になる。そこで今回AF-DSPを作ってみた。

このDSPは、貴田電子設計のキットでKEM-AF-DSP-DX というものだ。

DSCN3502.JPG

その仕様は
SSBモード 下限200-600Hz(100Hzステップ) 上限1000-2700Hz(100Hzステップ)
CWモード  中心400-800Hz(50Hzステップ) 通過帯域100-300Hz(100Hzステップ)

となっている。可変はUP/DOWNスイッチで行う。
入力レベルもLEDで監視できるようになっている。
LM386のAFアンプも内蔵されている。

DSCN3500.JPG

 今回製作した受信機用に考えているのでAFアンプは省いてLINE-OUTとした。
基板にはスイッチやLCDを直接付けるようになっているが、組込やケースに入れることを思うと、外部に付けるようになっているとありがたいのだが。

デジタルが苦手なおじさんにとってこういうキットを提供されている貴田OMには感謝である。今後とも供給を続けてほしいものだ。

使用感については、受信機からLINE出力できるよう改造が必要なのでまだわからない。できれば追々レポートしたいと思う。

 


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Si5351 VFO [その他]

 いつもお世話になっているKさんから、素晴らしいVFOユニットを送っていただいた。
 Si5351-2.jpg
 このVFOは、Silicon LabsのSi5351というClock Generatorで200Mhzまで出力できるICを使用したものだ。
25Mhz又は27MHzのクリスタルを基本Clockとし、内部でPLLにより任意のClockが生成される。タイプとしてA,B、Cの3種類がある。Aは、内部にPLLを2個持ち3種類のClockを出力できる。B,Cはさらに多くの出力が出せる。これは、例えばVFOとキャリアの2種類を同時に出力できることになる。トランシーバー等に1個で対応できることになる。制御はI2Cインターフェース対応である。データシートを見てみるとその制御は非常に複雑で、色々な設定をおこなわなければならないようだ。

 今回送っていただいたVFOは、N6QWというWのHAMがArduinoを用いて制御しているものだ。ソフトウェアも公開されているので、これを基本にアレンジが可能である。WEBを検索してみると海外では、幾つかの製作例がみられる。BASCOM-AVRでの製作例もみられるので、これらを参考にオリジナルを作れそうだ。
 今回はKさんが、私用に中間周波数とキャリア周波数及び表示にコールサインを入れて送っていただいた。
N6QWの製作例にはカラーLCDが使用されており、その表示が非常に綺麗で見やすいものとなっている。
この液晶は多分携帯等に採用されていたLCDだと思う。今は中華から格安に購入できるようだ。

ArduinoNANAO.jpg

 回路図を見るとAruduino、Si5351、LCD及びレベル変換用のCD4050で構成されている。レベル変換はLCDが3.3V仕様であるためArduino(5V)とのレベル変換用に用いられている。たったこれだけで任意の周波数が3種類生成できる。実に素晴らしいICである。尚、Si5351の部分は回路図には含まれていません。NETで探せばあると思います。

Si5351-1.jpg

 

Si5351-7.JPG

 その出力であるが、Clockジェネレータであるため、方形は出力である。スペクトラムを見ると多くの高調波が含まれている。これら高調波は、しっかりとLPF、BPFで除去させる必要がある。またスプリアス規制等の観点から近接スプリアスが最も気になる所である。細かくはまだ見ていないが、1Mhzスパンで見ると出力周波数の上下300KHzに大きなスプリアスがみられるが、 それ以外は非常に綺麗である。この上下300KHzが除去できれば十分にVFOとして使える。このスプリアスはPLL生成のものだと思われる。DDSと比べても十分活用できそうである。課題はその制御がDDSに比べ非常に複雑であり、その制御にかなり時間(といってもCPUの問題であるが)がかかることである。今回送っていただいたものではロータリーエンコーダを回しても問題はないようであるが。

Si5351-4.JPG

 表示はカラーLCDであり、従来のキャラクタLCDと比べるとグラフィックであり、カラーであることから比較にならないほどきれいで見やすいものとなっている。実に素晴らしい。今後もっと使用例が増えてくるであろう。
 このユニットを使って7MHz受信機をくみ上げる予定だ。

 Kさん大変ありがとうございました。

 


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自作測定器 [測定器]

 長い間自作測定器を使ってきたが、最近はヤフオク仕入れの測定器や中華製の安くて高性能な測定器が幅を利かすようになってきた。しかしやはり自作品には愛着がある。そこでこれらを再度メイン測定器として使えるようオーバーホール&精度UPをしようと思い始めている。

DSCN3490.JPG

 この測定器ラックは、上から1)周波数カウンタ 2)インダクタンスメータ 3)コンデンサー容量計 4)低周波ファンクション発振器 5)電源 である。

DSCN3491.JPG 

 これらは何れも秋月のキットを使った測定器である。最近でもこれらのキットは販売されているが、ほとんどがPICやAVRと液晶表示器を使用したもので、小型高性能になっている。
 当時の液晶はバックライトの無いLCDで見にくい。それでもアナログメータでなく数字で表示される測定器には非常に魅力的なものだった。

 周波数カウンタにGPS基準の10MHzを入力してみたが、電源ONで3Hzの誤差であった。このカウンタは内部にOCXOが入れてあるが、10年以上未校正の割には正確であった。

 今後各測定器をリニューアルしていく予定である。内容としては、周波数基準をGPSからの10MHzを利用できるようにする。液晶をもう少し見やすいものにしていく予定である。
 ただし基本回路は先達に敬意を表して、流用する予定である。 


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IF Amplfire &AGC [受信機]

 かねてより実験中のAD603IF Ampと以前製作した2SC2348フォワードAGC IFがようやく実用レベルに纏まってきた。この実験において今まで物まね回路が主であったので、改めて回路について追求してみた。特にAGCはその出来栄えにり音質に大きな影響を与えることを改めて認識した次第である。

 【AD603 IF】

AD603-10.JPG

 AD603については以前のBlogで紹介しているが、アンプの前にATTがあり、これを制御することによりゲインコントロールを可能としている。この制御にはOPアンプと思われる回路が組み込まれており、±入力があり、電圧差で制御される。データシートにある単電源2ステージ(左図)のアンプを基本に製作してみた。この場合2pin(GNEG)に基準電圧として第一ステージが5.5V、第2ステージが6.5VにSETされている。そしてAGC電圧を1pin(GPOS)に入力している。この第1と第2ステージの電圧差1VがAGCによるATTの順序が決まる。この場合AGC電圧が7.5Vから低くすることにより第2ステージのATTがかかり始め6.5Vから第1ステージのATTが制御されることになる。
AD603single.JPG 左のグラフはAD603の単体試験のデータである。制御電圧に対して綺麗に対数圧縮され、そのダイナミックレンジも40dB近い。非常にいい特性であることが判る。これならば2ステージでのダイナミックレンジも期待できそうである。

  実際の製作は、左図のようになっている。データシートでは、かなり細かい数値の抵抗が使われているが、E12系列から近いものを使用している。AGC制御回路も当初データシートのように組んでみたがうまく動作しなかった。その動作原理もよく理解できていない。使用半導体や抵抗数値の違いによるのかよく判らない。なのでAGCはオリジナルで7.5V~4.5Vが出せるよ

AD603IF_AMP.jpg

うに組みなおしている。基本はデータシートであるが、JA1DWM 進藤OMの発表された受信機を参考にした。段間と出力に4:1のインピーダンス変換を入れている。これはAD603の入力インピーダンス100Ω、出力インピーダンス500Ωの整合を取るためである。

 

 

AD603AGC.JPGこの回路においての総合性の派左図のとおり で、-90dBm位からAGCが効きはじめ0dBmまで綺麗に制御できている。総合増幅度は75dBで有るが、測定値は8polチェビシェフフィルターを通しているのでその損失を引くと80dB近い増幅度が得られている。

AD603IF-1.JPG

 製作時の注意点として、ノイズ対策を十分行うことが重要である。当初どうもノイズが多いし、発振気味とも思える挙動であった。これについてかなり時間を掛けて調べてみると、キャリア信号が混入していることが判明した。これは、アース回路、電源回路、同軸ケーブル等色々な経路からと考えられた。そのためこの辺りを見直し、測定値にはキャリア信号をOFFしてようやく測定した。このくらいの増幅度となるとこのようなことも重要なことを改めて認識した。またIF基板のみならず、フィルタも影響を受けているようだ。フィルタのコンデンサーに手を近づけるとノイズが増えた。機器に組み込む場合はシールドを行ったほうが無難である。試験した基板はユニバーサル基板でAGC回路を収めるのに少々きつかったのでAGC回路はドーターボードとしてコネクタ接続としている。AGCを色々変更して試験する目的もあった。一応管制したので今後基板化する予定。

【2SC2348フォワードAGC IF】
2SC2348_IF.jpg AD603に取り組む前にフォワードAGCトランジスタ2SC2348を使用した3段IFアンプを製作した。当初発振してどうにもならなかったが、電源やAGC回路にRFCを入れ、各段にシールド板を付けて要約落ち着いた。特にAGCアンプもシールドは重要である。本来2SC1855フォワードAGCトランジスタを使いたかったのであるが、既にディスコンで入手できなかった。2SC2348は辛うじてまだ購入可能であった。
 回路は「トロイダル・コア活用百科」の2SC1855アンプを参考にした。AGC回路も当初トロ活を参考にしたが、効きが今一なのでこれもオリジナルに変更している。回路では、トランジスタ

2SC2348AGC.JPG

のエミッタ抵抗が原回路は100Ωであるが、2SC2348では電流が流れすぎのようであったので、300Ωに変更している。この特性は左図のようになった。これもAD603に負けず綺麗に制御できている。また増幅度も80dBであり、予想以上にうまく出来たようである。これであれば3SKタイプのIFアンプよりもきれいに制御出来ている。左の写真がシールドを十分施した基板

2SC2348IF.JPG

である。

 

 

【AGC回路】
W1FbAGC.JPG  上記2例のAGC回路は、当初オリジナル例を採用したがうまく動作しなかったので、W1FB著「W1FB DESIGN NOTEBOOK」128頁の回路(左図)を採用したがこれも動作が今一歩であったため、これを基本として簡素化し、且つブレッドボードを活用しOPアンプの動作方法を改めて確認した。非反転増幅、反転増幅、シフト、オフセット等であり、結構な時間を費やすこととなった。いまさらではあるが。
 まずAGCアンプである。今回は80dBの増幅度が有るIF回路であることから、AGCのダイナミックレンジも大きい必要がある。そのためにはAGCアンプで増幅し低いレベルからダイオード検波出力が発生する必要がある。その為2SK125ソース接地アンプとし負荷は1mHのチョークコイルとしている。オリジナルはFETとPNPの複合回路でありよく理解できない。
FETのコレクタから取り出した信号を1N60倍電圧検波で直流とし平滑にコンデンサーと抵抗を入れている。これにより決定されるのがAGCの時定数となる。次にこの検波電流を必要な電圧、電流に加工しなければならない。この変換回路に必要な要素として入力インピーダンスが時定数に影響を与えない程度に高い必要がる。sのためにFETとOPアンプを使用している。
AGC.jpg AD603-IFの場合は、信号が大きくなり、検波電圧が増加したときに、逆に7.5Vから下がっていく回路とする必要がある。このため最初にFETのソースフォロワー回路で入力インピーダンスを確保しOPアンプの反転増幅回路に入力している。非反転増幅には、電圧シフトを行うために半固定抵抗で無信号時AGC電圧が7.5Vとなるように調整している。
 2SC2348-IFは、フォワードAGCなのでトランジスタの電流を増やしていくことにより増幅度を下げることになる。従ってAGC電圧を上げることにより制御させる必要がある。電流-増幅度特性を調べるとAGC電圧3VでMAX、7V位でMINとなった。従ってAGC電圧を検波電圧で3~7.5Vに変化させるような回路構成とする必要がある。AGCアンプ及び検波部分はAD603のものと同じである。検波電圧は信号強度に従って0.2V程度から増加する。これを3Vから増加するようにする。これには非反転で電圧シフトが出来る回路とするのであるが、非反転シフト回路は、回路構成から入力インピーダンスが、低くなるため、デュアルオペアンプを使用し、最初に非反転バッファの高インピーダンスで受け、この出力を非反転シフト回路で必要なシフトを行っている。
 Sメータ回路はAGC電圧を利用し電流調節抵抗を通し、Sメータゼロ点の電圧シフト回路(固定と半固定抵抗)回路で構成されている。これはW1FB回路そのものである。尚、調整時や立ち上げ時にSメータが逆ぶれすることがあるが、これを嫌うなら、直列にダイオードを入れれば解決する。尚、フォワード用とリバース用ではSメータの極性が反対であるので、注意が必要だ。
 今まで、AGC回路も色々製作例をまねて作っていたが、結構複雑な回路を使用していることが多い。今回の回路は結構簡素化できたと思う。電気理論的に有っているかどうかは不明であるが、綺麗に制御できているので良しとしている。
 Blog等でお世話になっているJH8SSTさんがこの回路を実際に作られ、うまく動作したとの報告を頂いたので少し安心している。当分私のAGC回路の標準となりそうだ。

【使用感】
 今回のIF回路で重要なことは、実際に使用したときの聴感である。これが旨くなければ何もならない。
 7MHzTEST受信機に組み込んでみたが、でどちらのIFも旨く動作している。AGCの効きも問題が無い。音質についても特に気になることは無いようだ。しいて言えば、2SC2348IFのほうが無信号時のノイズが大きい。7Mhzのような高ノイズのバンドではまったく気にならないが、将来VHF等の受信機を製作したときに気になるのかどうかであろう。多分大丈夫と踏んでいるが。

【まとめ】
 今回はIF回路とAGC回路であるが、それぞれの要素において色々なノウハウが必要であること、また回路単位ではなく組んだときの総合的なアースや電源回路、同軸の引き回しなど、色々なところに課題があることがよく分かった。今後はこのようなことにも注意して製作することにしよう。

 

 

 

 


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Frequency counter [測定器]

F-counter.jpg

 最近 近しくしていただいているJH8SSTさんが東芝の7segLEDを記事に書かれている。最近の明るいものと違い、なんとなく真空管のヒーターとまではいかないものの、ノスタルジーを感じてします。そういえば確か古いカウンタキットがあったなと思い出し、ジャンク箱を漁って写真のカウンタを掘り起こした。

 その昔、名古屋の中野無線で出来合いの周波数カウンターが販売されていて、自作ディップメータと100KHz水晶のマーカーしかなかった私としては、何回も見に行きやっと購入したのが、初めての周波数カウンタであった。小型で、50MH以上計れ、455KHzシフトが出来るものだった。メーカーは忘れてしまった。


 その後秋葉原の亜土電子で、同じICを使ったキットが販売されているものを見つけ迷わず入手したものがこれである。
ICは三菱のM54821Pである。これにゲートタイム切り替えや入力アンプの回路等で構成されている。

 もう何年も電源を入れていないので、おっかなびっくりONしてみた。0を表示。SGから50Mhzを入力したのがこの写真である。 どこまでカウントするかとSGの周波数を上げたら+10dBmくらい放り込めば99MHzまでカウントできた。当時としては優れものであった。

 その後秋月の周波数カウンタキットが販売されたのは皆さんもご存知のことと思います。しかし中間周波数シフトの機能があるものは、あまり無い。 いろいろな機器に取り付けて使ってきたが、カウンタだけがまだ残っていたのである。せっかくであるから、これを使って短波ラジオでもこさえてみようかな。

 


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AD603 IF Amprifire [受信機]

 JA1DWM 進藤OMが発表された「ローバンド受信機の製作と測定」にAD603が使われている。聞きなれないICだったのでデータシートを見てみるとなかなか興味の有るICであった。特にIMDの良さには目を瞠る。AD603をググッてみるとJA3GSE OMもこの点に着目されている。
 実験用受信機で、MC1490と2SC2348フォワードAGCIFを作ってきたが、そこそこには動作するものの今一歩という感じであった。今回ebayでAD603が格安に入手できたので、早々実験に取り掛かった。

AD603-9 (1).JPG

 データシートを見ると、このICは、固定ゲインアンプとその前段にラダー型アッテネーターとコントロール回路がある。AGCはコントロール回路の電圧を変化させ、このアッテネーターを設定するというようになっている。つまり、アンプ自体の動作点は何も変化しない。MC1490や2SC2348のIFは、動作点を変化させゲインコントロールしている。ここが大きい違いである。また、入出力インピーダンスも低く(IN 100Ω OUT 500Ω)異常発振にも強いことが予想される。アプリケーション例を見ても広帯域での設計となっている。さらに先にも書いたようにIMDがすばらしく良い。いいこと尽くめのように思える。

AD603-10.JPG

 他の製作例を見ると±電源で作られている方が多いようである。回路的にはオペアンプのようなものなので、±電源のほうが、部品も少なくすっきりするし、AGCコントロール回路も簡潔に出来そうな感じであるが、やはり単電源が好みなので、アプリケーション例に載っている単電源回路で進めた。 (左図)
 取敢えず1段で実験。その結果は簡単に9MHzで40dBアンプとなった。また、コントロール回路の2pinの電圧を外部電源から加え変化させてみた。その結果は左図のグラフである。流石

AD603-1.JPG

にATTという結果となった。ATTコントロール回路の1pinは5.5V固定としている。5V~6V変化に対して実にリニアに変化している。更に最大で+10dBmまで出力されている。非常に強力でMC1490などと比べると良い結果となり、IF回路として非常に期待が持てる。参考に周波数特性も見てみた。40Mhz位までは30dB以上の利得が有る。100Mhzでも20dBは有る。(スペアナには10dBのATTを入れているので表示値に+10dB)



AD603-10.JPG と言うことで2段目を製作。9Mhzで80dBのアンプとして動作している。2段接続の場合ATTのコントロールは最初に初段のATT続いて2段目のATTとなっていくようにそれぞれの1pinの基準電圧を設定する必要がある。そのため1段目の1pinは5.5V 2段目の1pinは6.5Vというように1Vの差をつけている。この辺りの設定はOPアンプの設定と同じ感じである。

 さてAGC回路であるが、アプリケーション例の回路には簡潔な回路が示されている。トランジスタ2個で、NPNのベースエミッタのダイオード特性で整流し、NPN,PNPのコレクタを接続している。ここの値を8-5V近くに持ち上げ、整流電圧でコントロールしているようだ。ここに使われている抵抗の値が非常に細かい数値となっている。同じように作ってみるが、抵抗はE12系列から近いものを選択した。 たとえば4.99Kは4.7Kという具合だ、
 果たしてその結果は、まるで旨く動作しない。PNPはONのまま、NPNはOFFのままで9V程度の電圧が出っぱなしであった。そこで抵抗値を色々いじったが、あるポイントで旨くいくところもあるが、連続的にはコントロールできない。
 よくわからない動作である。ここで深追いしてもどうかなと思うところである。その訳はAGCスレショルドの変更が出来ない、AGC時定数の設定変更が難しそう。トランジスタの出力ではインピーダンスが低すぎる気がしている。
AD603-6.JPG そこで今回前にも作ったことがあるW1FB著「W1FB DESIGN NOTEBOOK」にあるFETとOPアンプを使ったオーソドックスな回路とした。
 結果どうにか使用できるレベルとなったのでTEST RECEIVER(実験用受信機)に付けて7MHzを受信。今日は生憎の雨模様でノイズレベルが高くAGC調整には向かないようであるが、有る程度の強い局で設定してみた。MC1490や2SC2348IFと比べると素直な感じで、ノイズも少ないような気がする。特にMC1490ではAGC設定により途中で飽和し、ノイズが多発することがあったが、そのようなことは無く余裕を持って増幅している感じがする。音も素直である。
 但しこのW1FBのAGC回路ではもう一つしっくり来ない感じである。AGCアンプもFET1段で有るが、もう少し増幅度を上げたいこととAGC電圧調整をすっきり出来るような回路を再検討するつもりである。この辺りが旨くできたら再度情報をアップしていきたいと思う。

 IFアンプ以外にも送信機のジェネレータ後のプリドライバーとしてパワーコントロールやALCコントロールにも感単位応用が出来そうだ。また実験用可変利得アンプとして1台作っておいても便利だと思う。更にAD8307とAD603を組み合わせ検出範囲の拡大に使うというアプリケーションもAD8307のデータシートに示されており、応用範囲の広いいいICだと感じた。今後私の製作の定番ICになりそうだ。 

 

 


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7MHzDC受信機 (Direct Conversion Receiver) [受信機]

P_20160131_193724_1_p.jpg

 
 自作家の部品供給源であるサトー電気さんのホームページを見ていたら、7Mhzダイレクトコンバージョン受信機キットを見つけた。残念ながらキットは完売で基板のみとなっていた。NE612A使用したものである。幸いお世話になっているJH8SSTさんにSA612Aをおすそ分けしていただいたものがあったので、早速基板を注文した。そうしたところサトー電気さんから最後の1枚との連絡があった。滑り込みセーフといったところである。

 

 

P_20160131_190839_1_p.jpg 回路はRF(3SK114)1段、NE612Aで混合及びローカル発信、RC4558でAFのLPFとAF-AMP、そしてTA7368のAFパワーアンプという構成である。
 RFアンプの3SK114はエンハンスメント型MOSFETである。ゲート電圧にプラスをかけるタイプである。残念ながら手持ちのものはデファレンシャルタイプしかない。取敢えずRFなしで進めることとした。
 NE612A(SA612A)はDBMとOSCが1パッケージに入っている。SA602Aも同等であり、これらは海外のQRPキットの定番ICとなっているようだ。変換利得が10dB以上ありコンパクトで外付け部品も少ない。DBM用ICの多くは殆どが製造中止となっている現在貴重なICである。中華やebayでは安く購入できる。

 OSCは、バリキャップダイオード(1SV101)とトロイダルコア(T25-6)に巻いたコイルとなっている。従って同調にはボリュームを使用しバリキャップの電圧を変えルことにより周波数を変化させる。キットでは50KΩのボリュームで7.000Mhz~7.100MHzまで変化させるようになっている。今回の製作にあたってボリュームは多回転ポテンシャルトリマを使用し同調が楽になるようにした。また周波数幅もコンデンサーやバリキャップの変更等により7.000MHz~7.200KHzとなるようにした。AFアンプは外付けとしている。

 組み上げてバラック状態で動作試験を行った。AF-LPFの効きもあり、以外にも静かで音質的にも問題が無く受信が出来ている。感度はそこそこでSGからの信号は-110dBm位まで確認できている。AGCが無いのでAF音は結構な変化を感じる。そこで、AF出力をTA2011SというALC付きマイクアンプ用ICでコンプレッションしてパワーアンプに接続した。これで50dB程度のAGC効果がでるはずである。結果は予想通り聴きやすくなった。

P_20160131_190903.jpg

 使用感として、結構いける。音質も問題が無い。 ちょっとしたBCLには十分使える。又、自分の信号のモニタ用には打って付けであろう。実用にはやはりフィルタが無い分、かぶりが多い。CWでは何局も一度に聞こえてしまう。また夜間では中華の放送がほぼ全域でBGMのように聞こえてしまう。まあ、入力にFCZコイルが1個入っているだけであるから当然であろう。入力部分にしっかりしたBPFを入れる必要がある。RFアンプなしでも結構聞こえる。逆にRFアンプを付けるとコン偏重等大変なことになるかもしれない。これもSA612Aの変換ゲインがかなり高いからであろう。キットでは、RFアンプをボリュームでゲイン調整するようになっている。当然であろう。

 このような楽しいキットが販売完了とは寂しいものである。海外ではこのようなキットが今でも盛んに販売されているが、日本ではほとんどなくなってきている。残念

 回路図等は許可を頂いていないので控えさせていただいた。ググれば同等のものが沢山ヒットすると思う。どうしてもと言う方は、コメントなりメールなりでご連絡を。

 

 


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TA7210P Using High Frequency

TA7120P TEST.jpg

 長年趣味を続けていると部品箱に使われず死蔵されているものが結構たまっている。断舎利で捨てるのはもったいない。なんとか活用できないかと思い立ち、真っ先に目についたTA7210Pで実験をしてみた。TA7120は、オーディオプリアンプ用ICでイコライザーアンプなどに使用するものである。データシートを見ると内部は、いたってシンプルで、トランジスタ3段のアンプである。またエミッタやコレクタが直接外部に出ているので、外部抵抗である程度動作点を変更できる。気になるのは内部の帰還用抵抗である。取敢えずアプリケーションをまねた定数で実験をしてみた。バイパスコンデンサーは高周波用に全て0.01uFとした。

DSCN3354.JPG

 その結果は7MHzにおいて増幅度25dB程度、最大出力は-15dBmであった。何とか0dBmまで持ち上げられないかと電流を増やすような抵抗を外部につけてみた。最初に終段トランジスタのエミッタの内部抵抗(750Ω)を減らす為5番pinとアース間に1KΩを接続。 少しUpしたが、まだ目的値までいかない。
 次に終段トランジスタのベース電流を増やすべく、アプリケーションにある1番pin-7番pinの56KΩを27KΩに、4.7KΩ止めて電源直結とした。その結果 増幅度44dB 最大出力-1dBmとなった。 結構いい塩梅である。

DSCN3355.JPG

 左図はシグナルジェネレータから7MHz-46dBm(50Ω)を入力したときのもので、右側は2倍高調波。最大出力でもスペアナやオシロを見ても特に波形の崩れやスプリアスの増加は認められなかった。このへんはNFBのおかげであろうか。
 これならば簡易受信機のIFアンプや、VFOのポストアンプに使えそうである。出来ればこれを2段にして90dB弱のIFアンプが出来れば最高。AGC付きアンプではなくNFBアンプとなっているが、これで聞いてみたときどうなのか興味津々。必要であれば、AGCアンプを付けてpinダイオードATTで調整する手も有る。

 アマチュアだから出来る使い方だ。だから自作は面白い。いづれ実際に受信機に組み込んでみる予定。

 


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DDS Carrier osirator [DDS]

DSCN3346.JPG

 最近フィルタの試作を試みているが、受信機、送信機に組み込んだときにキャリア発振器も用意する必要がある。フィルタ用水晶で作ればよいのだが、AM用、LSB用、USB用、CW用と回路が大きくなることと発振範囲調整のためVXOにしたりしなければならない。尚且つ実際の受信において音質の良くなるところに調整をする必要がある。これらの手間を省くためにDDSを使ったキャリア発振器を作ってみた。

DSCN3347.JPG

 DDSは勿論在庫多々の中華DDS(AD9850版)を使用した。DDSのコントロールのためAVR(ATTINY2313)を用いている。最近はほとんどATmegaタイプを使うことがほとんどで、ATTINY2313も不良在庫になりかけている。今回のような小型システムにはちょうど良い。

 プログラムは、いつものBASCOM-AVRで作っている。メモリー使用量は78%位となった。
仕様としては、外部からの信号(ハードスイッチ又は他のAVR等)で制御できることとDDSの基準発振器の誤差調整が出来ること。

DSCN3348.JPG 具体的には、他のAVR等からのコントロールも考慮してBCDスイッチでキャリア周波数を選択する。(例 1:AM 2:USB 3:LSB 4:CW) 他のMPU(AVR等)からコントロールする場合はBCDコードを送る。
 基準周波数調整及びキャリア周波数ピッチ変更は、SW1(ON:基準周波数変更 OFF:ピッチ変更)で選択しUP/DOWNスイッチ(SW2,SW3)で調整する。手順としては、AM用キャリア周波数を選択しておき、出力を周波数カウンタに繋ぎ、DDSが安定した状態(ONして10分位後)でSW1をON側にし、UP/DOWNで希望周波数になるようにする。1周波数で調整すれば、他の周波数も必然的に正確になる。 実際にはどの周波数でも良いが、AM用キャリアを選択したのは、SSBやCWなどと違い変更しない周波数だからである。他のモードは初期プログラムに設定された周波数を変更する可能性がある。
DDSOSC.jpg 尚、周波数変更ピッチは10Hz単位としている。
 これでまず、DDSの基準誤差修正が済んだ。以後は実際の使用に合せてSW1をOFF側にして、ピッチ調整を行う。
基準及びピッチの情報は、AVRの内部EEPROMに書き込まれるので、電源を切っても維持される。
 これら設定が終わったら、モード設定用BCDスイッチ以外は必要ないので取り外しておいてもかまわない。設定時具としてコネクタ接続にするのも良いかも。

 今回の唯一の難点は、出力周波数の初期値は変更できない。 UP/DOWNスイッチで出来ないことはないが、10Hz単位なので大幅な変更では、疲れてしまう。また、メモリの書込み回数保証が10万回であるので、10Hzごとに書き換える今回のプログラムではダメである。どうしても変更する場合は、基本プログラム内に書き込んである初期値を変更しプログラムを書き込むこととしている。

 これで、とりあえずフィルタの試験等がスムーズに出来る。また特注水晶を発注しなくても済む。DDSで十分な実用実験をした上で、最終周波数を決めてから、恒久用に水晶を発注すればよい。

 DDSの出力は-5dBm弱。スプリアスも-50dBは取れている。問題の有るDDSのフィルタは特に変更していない。そのままでも十分使用できそうである。一応基板上にはバンドパスフィルタを載せられるようにしてるが、不要かもしれない。

 以上 備忘録的UPです。

 JA2NKD 


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