Si5351 VFO [その他]
いつもお世話になっているKさんから、素晴らしいVFOユニットを送っていただいた。
このVFOは、Silicon LabsのSi5351というClock Generatorで200Mhzまで出力できるICを使用したものだ。
25Mhz又は27MHzのクリスタルを基本Clockとし、内部でPLLにより任意のClockが生成される。タイプとしてA,B、Cの3種類がある。Aは、内部にPLLを2個持ち3種類のClockを出力できる。B,Cはさらに多くの出力が出せる。これは、例えばVFOとキャリアの2種類を同時に出力できることになる。トランシーバー等に1個で対応できることになる。制御はI2Cインターフェース対応である。データシートを見てみるとその制御は非常に複雑で、色々な設定をおこなわなければならないようだ。
今回送っていただいたVFOは、N6QWというWのHAMがArduinoを用いて制御しているものだ。ソフトウェアも公開されているので、これを基本にアレンジが可能である。WEBを検索してみると海外では、幾つかの製作例がみられる。BASCOM-AVRでの製作例もみられるので、これらを参考にオリジナルを作れそうだ。
今回はKさんが、私用に中間周波数とキャリア周波数及び表示にコールサインを入れて送っていただいた。
N6QWの製作例にはカラーLCDが使用されており、その表示が非常に綺麗で見やすいものとなっている。
この液晶は多分携帯等に採用されていたLCDだと思う。今は中華から格安に購入できるようだ。
回路図を見るとAruduino、Si5351、LCD及びレベル変換用のCD4050で構成されている。レベル変換はLCDが3.3V仕様であるためArduino(5V)とのレベル変換用に用いられている。たったこれだけで任意の周波数が3種類生成できる。実に素晴らしいICである。尚、Si5351の部分は回路図には含まれていません。NETで探せばあると思います。
その出力であるが、Clockジェネレータであるため、方形は出力である。スペクトラムを見ると多くの高調波が含まれている。これら高調波は、しっかりとLPF、BPFで除去させる必要がある。またスプリアス規制等の観点から近接スプリアスが最も気になる所である。細かくはまだ見ていないが、1Mhzスパンで見ると出力周波数の上下300KHzに大きなスプリアスがみられるが、 それ以外は非常に綺麗である。この上下300KHzが除去できれば十分にVFOとして使える。このスプリアスはPLL生成のものだと思われる。DDSと比べても十分活用できそうである。課題はその制御がDDSに比べ非常に複雑であり、その制御にかなり時間(といってもCPUの問題であるが)がかかることである。今回送っていただいたものではロータリーエンコーダを回しても問題はないようであるが。
表示はカラーLCDであり、従来のキャラクタLCDと比べるとグラフィックであり、カラーであることから比較にならないほどきれいで見やすいものとなっている。実に素晴らしい。今後もっと使用例が増えてくるであろう。
このユニットを使って7MHz受信機をくみ上げる予定だ。
Kさん大変ありがとうございました。
このVFO、実にキレイでいいですね~。私は今AliExpressからの部品到着待ちです。±300KHzのスプリアスは困ったものですね。
by JH8SST/7 (2016-04-06 19:30)
SSTさん コメントありがとうございます。
やはりカラーはいいですね。
そろそろ私もカラー化しようかと思い始めました。
基本波は非常に綺麗なのですが、PLLはどうしても位相ノイズ等があるので一工夫必要のようです。
by JA2NKD (2016-04-07 11:05)
NKDさん
こんにちは。なかなか優れモノのようですね。
SI5351は秋月に売っているので私もチップは購入してあるのですが、制御は手付かずです。実は、同じメーカーのSi570も、結構面倒な制御だったのですが、なんとかやっつけて「実機に使おうか」と思ったのですが、やっぱりDDSに戻ってしまいました。というのは、ロータリーエンコーダで周波数を切り替える時のポップノイズ(PLL起因)が若干大きかったからです。
N6QWのYouTubeを見ると(聞くと)、やっぱり周波数可変時には、ポップノイズが聞こえているようなのですが、実際のところどの程度なのか、たいへん興味があります。Localに用いる場合は、外来ノイズに打ち消されてあまり気にならないのかもしれませんが、RXのIFゲインによっては、影響があるかもしれません。非常に興味があります。
by JR1PWZ (2016-04-10 16:26)
PWZさん コメント有難うございます。
このSi5351は、面白いですね。しかしマニュアルを見ても難解です。
色々出来る分致し方ないのかもしれませんが。周波数設定も大変そうです。
設定や周波数を変えたときにスプリアスがどう変わるのか興味が有ります。近接スプリアスが、少なくなる設定が見つかるといいのですが。
VFOに使うにはDDSのほうが楽ですね。水晶の変わりにはいいかなと思っています。例えば、AD9851の基準クロック180MHz等。
当面Bascomでの制御を目指します。
周波数可変時のポップノイズは、一般のPLLでも設定が悪いと出ますね。SI5351のように全てが内部では、対策出来ないかも知れませんね。
製作例ではジッタノイズ対策のために、目的周波数の4倍を出力し、4分周して使うものもありました。まだまだよくわかっていません。
by JA2NKD (2016-04-13 14:07)