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AM受信機(LA1137N) [受信機]

LA1137N-1.JPG

 以前28-50MHzAMFMトランシーバーのAM受信部にLA1135を使用した。今回このシリーズのLA1137Nを使用した受信機を製作しようと思い、試作を行ってみた。
 このシリーズはLA1135,1136N,1137N等のシリーズとなっている。本来の用途はカーラジオ、ホームステレオ用に開発されたものである。
 機能は、MIX,OSC、IF増幅、検波、AGC,RF広帯域AGC、オートサーチ出力(Sメーター出力)等盛りだくさんである。
 LA1135とLA1137Nの違いは、Sメーター出力のリニアリティーが前者は80dBu、後者が100dBuとなっていることと、AGC切り替え等多機能になっている。詳しくはデータシートを参照してください。
 前回使用したLA1135では、復調信号の歪が少ないような気がしたので、同シリーズでも期待できそうである。また、1チップで、MIX,OSC,AGC,Sメータ回路が付いていることはありがたいことである。LA1600ではAGCが弄れない,Sメータが無いので本格的な受信機には使いづらい。その分このICでは外付け部品が多いのはいたし方が無い。 

LA1137NAPR.jpg

【回路特徴】
 データシートを見て自分なりに解釈したものです。
 アプリケーション(上の図)では、RF増幅にFETとトランジスタを使用しカスコード増幅となっている。RF信号強度を検出し(1ピン)カスコード増幅のベース電圧を制御しAGCを掛けている。(狭帯域AGC)
 またRF増幅のコレクタから信号を取り(3ピン)同じく3ピンから制御電圧を出しピンダイオードによるAGCとしている。1ピンの狭帯域AGCと比較して広帯域に作動する。RF増幅された信号は5ピンのミクサー入力に入る。ここでOSC(19ピン)信号と混合され6ピンに出力されフィルターに入るそしてIF増幅入力に入る。
 無い図接続で検波され12ピンからオーディオ信号となって出力される。またIF用AGCも内部接続され制御される。ここの時定数は12ピンと14ピン間の抵抗コンデンサーで決まるようだ。 
 IFAGC信号は内部でSメータ回路とも接続され17ピンに出力される。
局発は19ピンに接続される同調回路で発振する。この局発信号のモニタが20ピンに出力される。実験段階では重宝な端子となっている。本来はPLL等に使用するものである。
 このように非常に多機能なICであり、各出力が外部に出ていることから、いろいろアレンジができそうである。SSBに応用できれば申しぶんないが、これはちょっと難しそう。

LA1137N(SCHEMATIC).jpg

【試作】
 試作は左回路図を参照願います。RFのコイル仕様等がよくわからないので取り敢えずサトー無線の7MHzモノコイルをオリジナルのまま使用。FET,トランジスタ、ピンダイオードも手持ちのもので組んでみた。
 OSCも試作のためトロイダルコア(T50-6 20t)と300pF程度のマイカコンデンサーを17ピンとVcc間に直接接続している抵抗値等はアプリケーション回路図のままである。


LA1137N-3.jpg【動作】
 気になるAGCの働きであるが、 左グラフのようになった。IF増幅に455KHzを直接入力したときのSメータ出力(17ピン)が青S(IF-IN)である。RFからの入力時はピンクS(RF-IN)である。これを見ると信号が小さいときはIF増幅でAGCが掛かり大入力時に茶(RF-AGC)が掛かりカスコードのベース電圧が制御される。さらに入力が大きくなるとオレンジ(広帯域AGC)が発生しピンダイオードの抵抗値が下がり入力制限が始まる。信号レベルでいくとS9強まではIF増幅それから上はさらにRFAGC、広帯域AGCと作動していくようである。強い放送局のあるような地域ではこの広帯域AGCが利いてくると思われる。

【考察】
 概ね満足のいく動作のようであるが、実際のアンテナで聞いてみないと判らない。近いうちに実験してみる。運よくAM局がきこえるかな?
 感度については、もう少しとも思うが、信号発生器の信号-110dBmAM1KHz80%変調はどうにか聞こえている。30%返答では厳しい。RF増幅カスコードのコレクタとVcc間の33オームを大きくすることである程度増幅度を上げることができるようだ。
 AGCのアタックタイム等は測定していないが、Sメータの動きでは決して遅くないように思える。この辺りは聞きながら調整するしかない。12-14ピン間のコンデンサーと抵抗等を変えることによって時定数が変えられる。
 でも多分このまま終わちゃうと思う。
 音質はLA1135同様いい音のような気がする。

【今後】
 今回OSCについてはあまり検討していない。
 トロイダルコア(T50-6 20t)+マイカコンデンサーで、室温が一定であれば電源ONの後10分程度で3KH弱UPする。
その後はきわめて安定いている。AFC回路が利いているのだろうか?
 しかし温度特性と機械的振動等を考慮したコイル、コンデンサー等で作る必要はある。現在水晶によるVXOか、コイルによるVFOか思案中である。またダイヤルメカが一番悩むところでもある。
 AMであることから音質にもこだわりAFアンプも余裕のあるものを用意したいと思っている。
 完成したら、例によって(ブログその2)にアップする予定です。

 


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